という視点で見てくれるようです。 そして、注意や助言をした方がいいと思われる場合も、 それを今言って、本人が受け取れるか、 本人の意欲や成長に繋がるかという視点で考えてくれるそうです。 発達障害やHSP、HSC...
それからこの疾患はどのようにして診断されるかですが、前述のような症状に加えて、炎症反応としてCRPの陽性、赤沈の亢進などがあり、筋肉が壊れるほど高く上昇する酵素つまり筋逸脱酵素である血清クレアチンキナーゼ(CKと略します)活性値の上昇や筋電図検査で筋原性変化が認められますと、本症を疑って筋肉の組織検査を行うことになります.筋病理組織学的には、筋線維の変性・壊死(細胞が壊れて死滅してしまうこと)とリンパ球を主体とした単核炎症細胞の浸潤がみられます.また家族歴のないことが他の代表的な筋肉を障害する病気である進行性筋ジストロフィーなどとの重要な鑑別点の一つとなることもあります. 治療法としては、薬物療法が中心となり、主に副腎皮質ステロイドホルモンが使用されます.一般には、初回にステロイドの大量投与が行われ、炎症反応や筋力の回復などをみながら、 4-6週間して以後再発に注意しながらゆっくりと最小必要量(維持量)まで減量いたします.薬物療法以外には一般的治療として急性期にはできるだけ安静にし、筋肉に負担をかけないようにすることが大切です.リハビリテーションや理学療法は、筋力の回復に有用ですが、炎症で壊れやすくなっている筋肉をかえって痛める恐れがあり、一般的に血清CK値が薬物療法により低下して正常値近くになったら徐々に開始します. また食事療法としては高蛋白食も筋肉の回復を助けるといわれております.一般に筋肉症状に対するステロイド療法の効果は約80%と大多数の患者さんに認められており、日常生活が可能となります.しかしステロイドホルモンの効果が不充分であったり、副作用(感染症の合併、消化性潰瘍、糖尿病、骨粗鬆症、肥満、脱力、興奮・抑うつなどの精神症状など)が出現したためステロイドを充分に使えない場合には、メソトレキサート、アザチオプリン、シクロホスファミドなどの免疫抑制剤が併用されることがあります. 予後についてはステロイドホルモンが良く効くため膠原病の中ではよいといわれております.しかしステロイドの効果の乏しい例、ステロイドの副作用発現例、強皮症など他の膠原病の合併例、肺に炎症を起こし呼吸困難をきたす間質性肺炎の合併例、悪性腫瘍の合併例などでは予後はよくないこともあり、病因の解明とさらに有効な治療法の開発が期待されております. タグ:
292(7):344-7, 1975から引用) 四肢近位筋、頸部屈筋の対称性筋力低下 筋原性酵素の上昇(CK、アルドラーゼ、AST、LDH) 定型的筋電図所見(筋原性変化) 定型的筋病理組織所見(筋線維の変性、壊死、貧食像、萎縮、再生、炎症性細胞浸潤) 定型的皮膚症状(ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候、膝・肘・内踝・顔面・上胸などの鱗屑性紅斑) <判定> 確実例: 4項目以上(皮膚筋炎は5を含む) 疑い例: 3項目以上(皮膚筋炎は5を含む) 可能性のある例: 2項目以上(皮膚筋炎は5を含む) 表2.厚労省自己免疫疾患に関する調査研究班の改訂診断基準(2015年) <主要項目> 皮膚症状: ヘリオトロープ疹:両側又は片側の眼瞼部の紫紅色浮腫性紅斑 ゴットロン徴候:手指関節背面の角質増殖や皮膚萎縮を伴う紫紅色紅斑 四肢伸側の紅斑:肘、膝関節などの背面の軽度隆起性の紫紅色紅斑 上肢又は下肢の近位筋の筋力低下 筋肉の自発痛又は把握痛 血清中筋原性酵素(クレアチンキナーゼ又はアルドラーゼ)の上昇 筋電図の筋原性変 骨破壊を伴わない関節炎又は関節痛 全身性炎症所見(発熱、CRP上昇、又は赤沈促進) 抗Jo-1抗体陽性 筋生検で筋炎の病理所見:筋線維の変性及び細胞浸潤 <診断基準> 皮膚筋炎:1. 皮膚症状aからcの1項目以上を満たし、かつ経過中に2から9の項目中4項目以上を満たすもの 多発性筋炎:2から9の項目中4項目以上を満たすもの <鑑別除外を要する疾患> 感染性による筋炎 薬剤誘発性ミオパチー 内分泌異常に基づくミオパチー 筋ジストロフィーその他の先天性筋疾患 <血液検査> 筋肉の障害を反映するクレアチニンキナーゼ(CK)、アルドラーゼ(ALD)、ASTの上昇が見られます。 表3.多発性筋炎・皮膚筋炎における自己抗体とその対応抗原、臨床的意義 (臨床リウマチ.
わたしたちのからだには、細菌やウイルスなどを退治し身を守るための 「免疫」 というしくみが備わっています。この 免疫が自身の臓器を標的としてしまう ためにおこる病気が自己免疫疾患です。多発性筋炎・皮膚筋炎は、 免疫が筋や皮膚に対して働く ことが原因でおこります。全身の病気であるため、膠原病の1つともされています。 なぜ自己免疫疾患がおこるのですか? 詳しいことはわかっていません。生まれながらの体質に、細菌やウイルスの感染などの要因が加わることでおこると考えられています。 患者さんは2万人以上います 多発性筋炎・皮膚筋炎の特定医療費(指定難病 ※1 )受給者証所持者数は 22, 195人(2018年度末現在) です。 ※1 ●難病情報センター 特定医療費(指定難病)受給者証所持者数( 2018年度末現在 ) 女性の患者さんが多いことが知られています 多発性筋炎・皮膚筋炎の患者さんの 男女比は、1:3 です。 中年の方の発症が多い傾向にあります 発症時期を年齢別にみると、50歳台に大きなピーク、5~9歳 ※2 に小さなピークがあります。 ※2 皮膚筋炎が多発性筋炎よりも多くみられます。
多発性筋炎について 2001. 05. 17 放送より 以前に慢性関節リウマチについてお話しいたしましたので、今日は同じく自己免疫性疾患の1つであります多発性筋炎についてお話しいたします.自己免疫疾患とは、以前にもお話申し上げましたように免疫の異常、すなわち自分の身体を細菌やウイルスなどから守る免疫のバランスがくずれて、健康人では認められない自分の身体に対する抗体(自己抗体といいます)などを持ち自分で自分の身体を異物のように錯覚して攻撃してしまうことにより発症する疾患です. 多発性筋炎とは、慢性あるいは急性に、横紋筋すなわち手や足を動かす筋肉に炎症をおこす非遺伝性の疾患であります.臨床的には、つかれ易さ (易疲労感)や身体の胴体に近い部分の筋肉(近位筋といいます)に優位に筋力低下、筋萎縮そして筋肉痛などを示します. 具体的には「しゃがんだ姿勢から立ち上がるのが困難となる」「風呂に出入りするのがつらい」「バスに乗る時、足が上りにくい」「階段が昇りにくい」などの症状、上肢の筋力低下により-「洗濯物を物干しにかけるのがつらい」「髪がとかせない」「高いところの物をとれない」「首がだるくて垂れる」などの症状が見られます.これに加えて、眼瞼(まぶた)、手や肘や膝などの関節の部分に紫紅色の皮疹が認められた場合は皮膚筋炎といいます.さらに他の膠原病と同様に発熱、食欲不振、体重減少など全身症状を認めたり、多発性関節炎や間質性肺炎、寒冷時に手指が白くなり、ジンジンしびれたりする症状(レイノー現象といいます)を認めることがあります.また本症では、強皮症、全身性エリテマトーデス(SLE)、慢性関節リウマチ、シェーグレン症候群など他の膠原病を合併することや比較的高齢の男性では胃ガンや肺ガンなどの悪性腫瘍を高率に合併することが知られております. さてこの病気の人がどのくらいいるかといいますと有病率は人口10万あたり約6人で、男女比は1対2と女性に多く、すべての年代で発症しますが、発症年齢のピークは40-50歳代といわれております.病気の原因は、今までのところ残念ながら未だにわかっていません.免疫異常を起こす引き金として、ウイルス感染が注目されていますが、本疾患ではまだ特定のウイルスの関与は発見されておりませんし、また筋肉のどの部分をターゲットとして自己免疫異常が起こっているかも分かりません.
更新日:2020/11/11 監修 藤尾 圭志 | 東京大学医学部アレルギー・リウマチ内科 膠原病リウマチ専門医の川口 鎮司と申します。 このページに来ていただいた方は、もしかすると「自分が多発性筋炎/皮膚筋炎になってしまった?」と思って不安を感じておられるかもしれません。 いま不安を抱えている方や、まさにつらい症状を抱えている方に役に立つ情報をまとめました。 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「あまり知られていないけれど本当は説明したいこと」についてまとめました。 まとめ 多発性筋炎とは、 骨格筋 を中心に 炎症 が生じ、 筋肉が壊死を起こす病気 です。 皮膚筋炎は、多発性筋炎と同様に筋肉の病気で、それだけでなく、 皮膚 に症状がでる病気です。 多発性筋炎も皮膚筋炎も、自分の組織に対して自分の外部から入ってきたもの(異物)であるととらえて排斥しようと攻撃してしまう 膠原病 と呼ばれる病気のひとつです。 治療には、副腎皮質ステロイドというお薬が使われます。 多発性筋炎、皮膚筋炎は 指定難病 であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。 筋炎とはどんな病気?
筋力の低下にはいろいろな原因があり、脳梗塞や神経の病気も含まれますが、 皮膚の症状がなければ、内科 を受診するとよいと思います。 検査を受けて 多発性筋炎が疑われたときは、専門医である膠原病内科 を受診してください。 皮膚の症状がある場合 は、湿疹【しっしん】や皮膚の病気ではないかの診断が必要ですので、 皮膚科 を受診されることが必要です。 皮膚科医の診断にて皮膚筋炎が疑われたときはやはり、 膠原病内科 を受診してください。 お医者さんに行ったらどんな検査をするの? お医者さんでは次のような検査が行われます。 筋力の低下があるかどうかを 診察 します。 血液検査で、筋肉が壊れることにより生じるクレアチニンキナーゼ、アルドラーゼなどという 筋肉由来の物質が血液の中に含まれていないか 調べます。 膠原病のひとつですので、血液検査で、自分の細胞や組織に対する 抗体(「自己抗体」といいます)が血液中に現れていないか血液検査 で調べます。 抗体とはもともと、からだの中に入ってきた特定の異物【いぶつ】に、それぞれ反応するようにつくられる物質です。 コラム:現在病院で測定できる抗体 抗Jo-1抗体 抗ARS抗体 抗Mi-2抗体 抗MDA5抗体 抗TIF-γ抗体 どんな治療があるの? 筋炎にはどんな合併症があるの? 筋炎の患者さんでは、肺にも炎症を起こす人がいます。 間質性肺炎 とよばれ、 咳 や 息切れ などの症状が現れます。 間質性肺炎の診断には、 胸部レントゲン検査 のほか、 胸部CT検査 が必要です。 間質性肺炎がある場合には、副腎皮質ステロイドだけでなく、 免疫抑制薬をあわせて使う ことが推奨されています。 筋炎では、 心臓の筋肉にも炎症 を起こすことがあります。 心筋炎 と呼ばれますが、 血液検査や心電図、心臓超音波検査 で詳しく調べます。